12月21日(水) ウーゴ・ミズコ准教授 「震災を受けた文化遺産の保護」

 

震災を受けた文化遺産の保護

 -国際協力における文化遺産救済(レスキュー)事業と防災 

 

人間の救出が何より優先される災害時に、文化遺産のことなど考える必要はあるのだろうか。恐らく、以上のような疑問が真っ先に出てくるのではないか。しかし、だからこそ、公然にはあまり語られない災害と文化遺産の関係性について考えることが意味深いように思われる。また、副題にあるように、国際協力の一環として、救済(レスキュー)事業から防災政策への発想の転換を示唆することも本講義の目的である。それは、災害時の文化遺産の扱い方に関する二面性を強調し、国内外における最新の取組の傾向を述べることにもつながる。この試みは、災害が起きてから文化遺産を救済することはもちろん、災害が起きる前からあらかじめ文化遺産に防災対策を講ずることにほかならない。そして最終的には、次の二つの意見を提示することで結びとしたい。第一に、災害復興の第二段階では基本柱として災害時の文化遺産救済体制を整えておくことが欠かせないが、それと合わせて、事前の対策を練って災害に備えることが文化遺産への被害を最小限に留める最も効率のよい方法であること。第二に、救済体制も防災政策も、文化遺産を対象にしているため特別な処置だと思われるが、これらは自治体や行政が準備する救済体制や防災政策の一部として普通に組み込むべきではないか、ということ。

 

 


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